運用と保守の違いや必要な資格

システム運用とシステム保守は稼働時や停止時でも行われ、会社でも同じ部署が担当することがある。
また、1人のエンジニアが両方を担当することもあるので、同じ意味に解釈される場合がある。
しかし両者は、厳密には異なる。

システム運用はシステムを利用して日常的に業務を整然と行えるよう、管理者が稼働状況をチェックし問題がないかを常に点検する。
プログラムで自動的に行うケースや、実際に管理者が監視データを目で確認して行うケースもある。
トラブルが起きた場合はすぐに対応して正常な状態に戻さなければならないので、運用中の保守もシステム運用の範疇になる。

一方、システム保守では運用中に保守作業を行うこともあるが、基本的には業務が停止する休日中にシステムを停止し、改修や調整を行う。
これにより、日常の運用と業務を滞りなく遂行できる。
そのため、システム保守は業務とシステム運用さえ下支えしていると言える。
システム運用は主に業務プログラムの改修や調整が対象だが、システム保守はよりベースの基本ソフトや物理的なサーバーとその入れ替えなど、ソフトとハード両面の保守も守備範囲だ。
両者は似ている部分もあるが、基本的な守備範囲が違うので必要な資格も異なる。

システム運用はシステムの開発と構築や運用全般に渡る知識が必要で、その基本資格である基本情報技術者という資格を持つと良い。
上位資格には高品質なITサービスを最適コストで提供し、投資効果を最大化するITサービスマネージャ資格がある。
一方システム保守は、ネットワークや通信の知識も求められる。
シスコ技術者認定試験やネットワークスペシャリスト試験の合格が、システム保守の専門家の証明になる。